ファシリテーション実習        山本浩通

 

グループ分け

ホワイトボードのある数(3)でグループ分け。

 

質問:下の会議の例でいつく思い当たりますか?

1.「意見が出せる雰囲気でない」

 

2.「報告、確認、なら、わざわざ長い時間をかけて読み上げなくても 資料を見ればわかる。」

 

3.「結局、発言力の強い人の意見にまとまる」

 

4.「会議中に他のことをしてても、大丈夫」

 

5.「一人の話が長すぎて、うんざりすることがある」

 

6.「話が、あっち行ったりこっちに行ったりして、結局まとまらない」

 

7.「結論が、先送りされて、また次回ということになる」

 

8.「会議の流れと時間がすでに決まっていて、発言する時間がない」

 

9.「時間ばかりかかるけど、結局なにも決まらない」

 

サンプルテーマでグループ討論

ファシリテーター一人、観察者1人、ほかメンバー。

約束。

 

空中戦にしない。

ファシリテ−ターは、

何を話しているのかを注意するのでなく

あるいは、話が正しいか間違っているかよりも

 

話の方向がどこを向いているのか

話の話題が何についてかに注意する。

 

発言は、手をあげて。

人の発言に、割り込まない。

人の意見に真っ向から、反対しない。

 

一人、1分ほど、2分以内に。

みんなの意見が出ているか。

 

弱い意見を、大事に。

 

とにかく、アイデアを出す。

 

話の内容の良し悪し(評価)ではなくて、話の方向、話のテーマがどこか。

 

 

ボードを使うときは、赤、青、緑で色分けして

一番重要なものは「赤」

次にだいじなものを「青」

重要度はさておき、

主観的に、自分がしたいと思うことを「緑」

のように色分けして、見やすくする。

 

重要事項は色分けし、実行の期日を決める。

 

できれば、そのホワイトボードに書かれたことを

そのまま記録し、各自が持っておく。

 

進め方を検討する。

約束はどのくらい実行できたか。
まず、ファシリテ−ター役の人から感想を聞く。
次に、観察者から観察した結果を発言してもらう。

 

 今日の議題は何なのか。

 それはどんな目的で話し合われるものなのか。

 その議題に対しての落としどころは何なのか。

 会議通知の中に

 「会議の目的」

 を明確にしておくこと。

 

 「この会議は○○の問題を解決するために実施します」

 「次期戦略として××の課題に対して行います」

 

 というように、「何を話し合うのか」を会議開催通知に大きく、わかりやす

 く、目立つように記載してください。

 

 

 机やいすが動かせない場合は仕方ありませんが、そうでない場合は

  ・全員がホワイトボードに向かう体制

 で並べてください。

 

 ・アイスブレイクで頭の暖機運転を行う

 ・アイスブレイクは、会議の場の一体感をつくり出すことができる

 ・時間のない会議でも5分ほどのアイスブレイクは重要

  

観察者のチェックポント

空中戦にしない。
発言は、手をあげて。
人の発言に、割り込まない。
人の意見に真っ向から、反対しない。
 
一人、1分ほど、2分以内に。

 

話の方向、話の話題が何についてかを、うまく導けているか。

 
みんなの意見が出ているか。

 

弱い意見を、大事にしているか。

 

アイデアが出るようにしむけているか。

 

ボードの使い方は、うまくできているか。

色わけ、

 

決定事項を確認しているか

 

何を、いつまでに、だれが

どのようにするのか。

   新知見に基づく乳房炎の防除対策

                  

                 鹿児島大学   浜名 克己

  

乳房炎の起炎菌としてStaphylococcus aureaus, Streptococcus agalactie,Streptococcus dysgalactie,Mycoplasma bovis,Corynebacterium bovisなどの伝染性細菌と大腸菌群、レンサ球菌、腸内球菌、カビ類などの環境性細菌がある。

これらの細菌が乳頭管から侵入することにより乳房炎となる。

菌の侵入を防ぐために適切な搾乳が大切である。搾乳した牛乳が乳房よりも高い位置を通るハイラインよりも低い位置を通るローラインのほうが乳頭にかかる圧力が低く乳房炎の防除には好ましい。不適切な搾乳器の真空圧のパルスや過搾乳、ライナースリップなども乳房炎を引き起こしやすい。また、洗浄システムを整え、クロー、ミルクチューブ、手を清潔に保つことが重要である。

搾乳前には乳房を清拭し絞り捨て乳をチェックする。このとき清拭布の汚染に注意する。また、バックフラッシュにより菌に汚染された牛乳が逆流し感染の拡大が起こるのを防ぐために乳房炎の疑いがある牛の搾乳にはバケットミルカーを用いる。

薬液をディッピング法やスプレーにより乳頭に散布し乳頭を清潔に保つ。

 

乳房炎防除の基本

搾乳システムの点検整備と適正な使用

臨床型乳房炎は発見次第徹底治療

プレおよびポストディッピングの励行

乾乳時治療

治癒しない慢性感染牛や高体細胞牛の淘汰

 

 

乾乳時治療

対象牛の選択

全ての乾乳牛

乳房炎の経験牛

細菌検査の陽性牛

 

利点

臨床型への移行阻止

高い治癒率

牛乳の廃棄不要

経費の削減

長期の抗菌濃度の保持

潜在感染の排除

 

乾乳時には乳房炎軟膏の浅部注入やディッピングを行うとよい。

 

未経産牛の乳房炎

Arcanobacterium pyogenes,Peptacoccus indolicusが起因菌。ハエが伝播する。

 

上手な搾乳手順と搾乳衛生

清潔でストレスの少ない環境の準備

  ・牛舎、牛床、通路、パドックの構造と衛生的管理、清潔な敷料

  ・乳房底面と乳頭周囲の毛刈りまたは毛焼き

  ・搾乳者の手指の消毒

ストリップカップへの前搾り

  ・各乳頭から5回ずつストリップカップに前搾りをして凝固物の検査

3.乳頭の洗浄またはプレディッピング

  ・消毒液に浸した一頭一布のタオルで乳頭のみを清拭、殺菌する

  ・乳房は濡らさない

  ・プレディッピングは乳頭に30秒間つけ、カップ装着前に拭き取る

4.個体ごとのタオルによる乳頭の完全な乾燥

5.乳頭刺激後2分以内のティーとカップの装着

  ・ティーとカップがずれないよう正しく装着する

6.ライナースリップの防止

  ・これにより乳汁の乳頭口への逆流を防止する

マシンストリッピングの禁止

真空圧の遮断と4本同時のティートカップの離脱

  ・過搾乳を避け、5分以内に絞り終える

  ・自動離脱装置の適正管理

9.搾乳直後のディッピング

 







バイエルメディカル株式会社

子牛の最適な飼養管理

初乳給与の重要性

 

1.初乳の成分と機能

初乳は豊富な栄養源であり、数種の生物学的な活性分子(BAMS)を持つ

免疫要因;免疫グロブリン、リゾチーム、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、サイトカイン

栄養分;脂肪、乳糖、蛋白質、ビタミン類、ミネラル類

成長因子;インシュリン様GFT,U、細胞成長因子、転移成長因子、成長ホルモン、インシュリン、コルチゾール

初乳の機能→母牛から子牛へのBAMSの輸送(BAMSは出産間近の乳房に凝縮される

子牛への初乳の初期給与の必要性→生存率、発達、成長

母牛から子牛への免疫の受動輸送

 子牛は免疫を持たない状態で生まれる→初乳から免疫を獲得

 免疫は免疫グロブリン(Igs)と他の因子として輸送される(IgGIgAIgM

 初乳は生後数週間の子牛における唯一の免疫を与える

 生後24時間の間に腸管から吸収され血液に移行

 

出生直後の子牛への初乳給与による2タイプの免疫の供給

 局在免疫;腸管に局在する免疫グロブリン

      腸管疾病(大腸菌、ロタ、コロナ、クリプトコッカス、サルモネラ)の予防 測定容易でない

 全身性免疫;血液中の免疫グロブリン

       呼吸器疾病の体系的な予防 測定可能

 

受動輸送の失敗

 生後2436時間で血清中のIgGが<10g/Lの子牛は免疫の受動輸送の失敗のため苦しむ

 母牛から子牛への受動輸送が不十分

 →ヘッドスタートの開発

 

受動輸送の失敗は非常に一般的である

 アメリカでは出生する子牛の41%が10g/L以下の血清免疫グロブリンしか持っていない

 良い飼育管理下でも、子牛の2530%は適切な初乳を摂取できていない

→一般的な疾病:子牛下痢症、肺炎、臍帯感染症、関節炎

 死亡(疾病率4.3倍、死亡率3.4倍)、

長期にわたる成績の低下

  

要約−FPTは短期、長期の生産性低下の原因になる

     離乳期の疾病感染率、斃死率増加

     日増体量を低下させ、初回分娩を遅延させる原因となる

     初回分娩時での乳房感染率のリスクを増加させる

 

免疫輸送に影響する主な3つの要因

1.子牛に与える免疫グロブリンの質量

 初乳免疫の質量母牛の個体によるばらつきが大きい

 初乳中のIgGは出生後急速に落ちていく

2.給与時間

 出生後子牛に投与したIgGの吸収能力は急速に低下する

 母牛の影響

3.初乳の品質

 安全−病原体フリー(ヨーネ病、サルモネラ、大腸菌)

 免疫グロブリン>60g/L

 一般的な子牛疾病の抗体を高く含む

 栄養的にバランスが良い

     凍結初乳 長所;低価格

       短所;供給が不安定、免疫グロブリンの品質が確信がもてない、適切な解凍に手間がかかり、不便である

ヘッドスタートは栄養的なバランスが良い

 脂肪(脂肪酸)、炭水化物(乳糖)、蛋白質(グロブリン、カゼイン、アルブミン)、ビタ

ミン類(脂溶性:ADEK 水溶性:B)、ミネラル類(CaPMgSeCo

脂肪と乳糖;エネルギー供給;熱産生と体温維持

初乳摂取の遅れは下記の点の低下につながる。

  必須脂肪酸と脂溶性ビタミン、脂肪酸結合蛋白質合成

早期に与えられた脂肪とコレステロール構成の違いは脂肪吸収と中間脂質代謝において長期的に影響する

 

2.初乳給与のための3つの黄金の法則

 1.出生後できるだけ早く給与する(出生後6時間以内)

 2.子牛が摂取できるだけ十分な量を与える(多いほど良い)

 3.質の良い初乳を与える

完全な初乳の代替→少なくとも生後6時間までに必要とされる総IgGの最低量;60120g

         少なくとも生後12時間までに必要とされる総IgGの最低量

         第一目標を達成できない場合;120180g

初乳の補足→状況判断 初産牛は量とIgG%低い

      乳牛より肉牛は初乳の量が少ない  

初乳摂取不十分な子牛は体重あたり11.5gIgGの補足を必要とする

 

ヘッドスタート 牛初乳粉末

カナダの酪農家からの天然の牛の初乳

すべての重要な因子を高濃度に含有(免疫グロブリンと抗菌性成分、栄養素、成長因子)

嗜好性が高い、給与量が少なくてすむ、安全性が高い、効果が高い

原料→カナダ国内の酪農家から収集(ブルセラ病、ヨーネ病、その他の疾患に非感染)

   加熱処理されたスプレードライの粉末

品質検査;有効性、安全性、効果(カナダ食品検査局の研究所で検査される。)

安全性試験;細菌学的検査→総細菌数:1×105/g以下、酵母(−)、病原性細菌(−)

安全性と効力;子牛への給与試験

効力試験;免疫グロブリン濃度の検査(>60g/225g袋:濃度=26.7%)

ヘッドスタートは良質な母牛の初乳と同等の抗体価を含む

(大腸菌、ロタ、コロナ、クリプトスポリジウム、BVDVBHI-1BRSVPI-3V

ヘッドスタートは栄養的にバランスの取れた完全な初乳;体温維持の重要なエネルギー

TDN70%、エネルギー〜988Kcal/袋、脂肪≧20%)

生理学的な有用性−成長因子;225g袋あたり

IGF-1 540mg以上、EGF 12mg以上、?-ラクトアルブミン 963mg以上

 

有効なヘッドスタートの使い方

 群管理の着目点

     母牛から子牛への危険な疾病感染のサイクルを断ち切る(ヨーネ病、IMIBVD

     一般的な疾病による経済的損失の削減のため

     長期の成績改善と農場における更新牛の利益性改善のため

FPTは初回分娩時での乳房感染症のリスクを増加する

母牛が初乳を通じて子牛に感染する何らかの病気に陽性の場合→ヘッドスタート?給与

不衛生な母牛からの授乳や、飼育環境から病気に感染した場合

(子牛下痢症 肺炎、臍帯感染症、関節炎)ヘッドスタートによる損失低下

黒毛和牛子牛への給与試験;ヘッドスタート2袋投与で最低レベル10g/Lを超えた

 

ヘッドスタートを給与するとき

1.初産牛から生まれた子牛は、一般的に摂取する初乳の質が低い(IgGが少ない)か、量

  が不足する。

2.母牛の乳首あるいは乳房を上手く探れずに乳を吸うのが困難である子牛。

3.複数出産−双子や三つ子

4.母牛の無い子牛

5.疾病感染牛から生まれた子牛(乳房炎汚染牛あるいは血乳、乳熱)

6.他農場から導入された病歴不明の牛から生まれた子牛

7.妊娠期間の飼料や栄養が適当量に満たなかった牛から生まれた子牛

(エネルギー、蛋白不足の牛ではIgG吸収が低下、栄養不十分だと初乳量が低下

8.母牛のIgGレベルが低い

(分娩前に乳が漏れる牛、初乳量がかなり多い牛、乾乳期が45日以下または60日以上)

 

ヘッドスタートは2つの重要なゴール達成に貢献します。

1.危険な疾病感染を防ぐ

2.子牛が順調な成牛に成長する率を増加する

 

質問等

Q.母牛の初乳はいらないのか?

A.2袋ちゃんと飲ませれば大丈夫 母牛からの感染のリスクも減らせる。

Q.母乳に勝るものはないと思うが?

A.ヘッドスタートは母乳を乾燥させたものだから大丈夫。

母乳のIgGはばらつきがあるがヘッドスタート?なら一定量給与できる。

Q.溶けにくいような気がする

A.湯温が低いとダマになるが、60度以上だと蛋白質が変性してしまう

 先に湯を入れると溶けやすい

Q.2袋目はなかなか飲ませにくい

A.母牛と離してあるなら何としてでも飲ませたほうがいい

 濃度が濃いと脱水、薄いと腹いっぱいで飲まないかもしれないので注意

Q.全部溶かして保存しても良いか?

A.その日のうちに使い切るなら平気


症例報告     鹿児島南農業共済組合 赤星隆雄

関節炎;穿刺→液抜く→抗生剤→ギブス→10日〜2週間でよい結果

尿閉;排尿せず、腹膨れてくる→正中切開で膀胱に血餅

   カテ入れてバイパスを通してやった→4日目から尿出た

肥育中末期の起立不能関節腫大の現状;

   デキサを使う→水様血便


質疑応答

Q.和牛で子牛の母乳性剥離に対し、母牛にマイシリン2ml、デキサメタゾン5ml筋注で治療試験を行っているが、そのような治療を行っている方がいるか。

 ステロイドを泌乳中に投与すると乳量が減るというが、実際手絞りしたが減らなかった。

 (オキシトシン静注後)

A.乳牛ではステロイドを打つと何日間かは急激に乳量が減る。

 和牛は手搾りも難しいので千差万別

 下痢のときは母乳をきっちり搾れるか

 なぜ母牛にデキサを打つのか?子牛の治療をしたほうが良い

 経母乳でデキサが子牛にいくのでは?なら子牛にうてばよい

 子牛の白痢は子牛に治療するのが一番!

Q.和牛でケトーシスはあるか?

A.ケトン尿症は見たことがある

 プレ+抗生剤で治った。和牛でもケトーシスはあると思う(神経型)

Q.乳でケトーシスを調べるか?

A.乳でケトン体が出るなら相当やばい。尿が一番良い(検査に)

Q.尿石症で直腸検査しながら針をさして膀胱穿刺をする方法を教えてほしい

A.毛ぞり→尾椎麻酔→ちょっと切皮→直検で誘導しながら膀胱にさす→カテーテル留置

 2〜3日したら下から出るようになる

Q.未経産牛で尿膜間遺残(F1)オペするお金がない オペなしで治るか?

A.カテーテルを入れて毎日洗ってよくなるのもいる

 ほとんどは化膿巣があるので開腹したほうがよい

Q.片側の眼球白濁している子牛がいる 治療をどうするか?

A.ステロイド+眼軟膏で治る、ダイメトンを点眼、パピテイン(シクロスポリン)

 マイシリン+プレ+ゲンタ